目くらましの道 [読書]
スウェーデンのミステリーを読むのはたぶんはじめて。
しかし、スウェーデン警察の名高いクルト・ヴァランダーを主人公とした
シリーズもののひとつで、しかも英国推理作家協会賞も受賞しているので、
それなりに期待して読み始めました。
上・下巻ありますが(まぁ、ここ10年くらい文庫本1巻でおさまる
ミステリーは少ないけど)、一気に読ませます。
ただし展開が派手というわけでなく(事件は衝撃的ですが)、
主人公はじめ登場人物がひとりひとり、魅力的で立体的だということが
大きいかもしれません。
ヴァランダーは、警官としては非常に優秀ですが、
私生活ではややうらぶれ感あり。
うらぶれ感というよりダメンズ感というべきか、
仕事はできるのにややダメな男というべきか。
本編の連続殺人とは関係ないと思われる冒頭の
非常に悲しい事件(少女の焼身自殺)が
全編の通奏低音になっています。
私は最終盤をお風呂に入って読んでいましたが、
途中でやめられずに1時間以上、バスタイム読書。
そして最後はお風呂で泣きました。
本を読んで泣いたのは何年ぶりだろう?
良い結末だったと思います。