フットボーラーと読書 [読書]
なにかのサイトでスティーブン・ジェラードが好きな本を上げていて、
それが「二十日鼠と人間」だったのがちょっとした驚きでした。
最近のベストセラーやミステリーでなく、
なんとまぁクラシックな本を!
アスリートって、自己啓発本とか、軽いビジネス本とか
読んでそうですけど、ジェラードはいい趣味なんだな。
「怒りの葡萄」や「エデンの東」より、はるかにこの本のほうが好きです、私も。
ちなみにジェラードの自伝は邦訳されてませんが、
これ、なかなか面白いんですよ。
サッカー好きな人は英語の勉強にもなるので、お勧め。
チャンピオンズリーグの決勝、対ミラン戦で3点ビハインドをひっくり返す試合は
結果を分かって読んでいてもハラハラします。
でもそんな中でも、コイントスで3連敗するくだりなんか、なかなか笑わせる描写も。
シェフチェンコは敵ながらあっぱれと誉めてますが、
ガットゥーゾは口だけでたいしたことないなんてことを、実名で書いてあります。
で、かつてのジェラードの同僚で、
元リバプール、現レアル・マドリードのシャビ・アロンソもまたクラシックなご趣味で、
好きな本は「グレート・ギャツビー」なんですと。
学校で習った本をそのまま言っているだけなんじゃないかという
気もしないでもないですがw
まぁ、でもスペインじゃ、アメリカ文学が教科書に載ることはないでしょうか。
はるか昔、学生のころに読んだ、映画の「華麗なるギャツビー」の写真が
あしらわれた新潮文庫も懐かしい(そして味わい深い)ですが、
やはり村上春樹訳のほうが、すんなり読めたのも事実。
確かに名作です。
はからずとも二人ともアメリカ文学になってますね。
そして服装傾向も似ている二人・・・。
(合成写真だと思いますが、左がジェラード、右がシャビ・アロンソ)
それが「二十日鼠と人間」だったのがちょっとした驚きでした。
最近のベストセラーやミステリーでなく、
なんとまぁクラシックな本を!
アスリートって、自己啓発本とか、軽いビジネス本とか
読んでそうですけど、ジェラードはいい趣味なんだな。
「怒りの葡萄」や「エデンの東」より、はるかにこの本のほうが好きです、私も。
ちなみにジェラードの自伝は邦訳されてませんが、
これ、なかなか面白いんですよ。
サッカー好きな人は英語の勉強にもなるので、お勧め。
チャンピオンズリーグの決勝、対ミラン戦で3点ビハインドをひっくり返す試合は
結果を分かって読んでいてもハラハラします。
でもそんな中でも、コイントスで3連敗するくだりなんか、なかなか笑わせる描写も。
シェフチェンコは敵ながらあっぱれと誉めてますが、
ガットゥーゾは口だけでたいしたことないなんてことを、実名で書いてあります。
で、かつてのジェラードの同僚で、
元リバプール、現レアル・マドリードのシャビ・アロンソもまたクラシックなご趣味で、
好きな本は「グレート・ギャツビー」なんですと。
学校で習った本をそのまま言っているだけなんじゃないかという
気もしないでもないですがw
まぁ、でもスペインじゃ、アメリカ文学が教科書に載ることはないでしょうか。
はるか昔、学生のころに読んだ、映画の「華麗なるギャツビー」の写真が
あしらわれた新潮文庫も懐かしい(そして味わい深い)ですが、
やはり村上春樹訳のほうが、すんなり読めたのも事実。
確かに名作です。
はからずとも二人ともアメリカ文学になってますね。
そして服装傾向も似ている二人・・・。
(合成写真だと思いますが、左がジェラード、右がシャビ・アロンソ)
世界の作家32人によるワールドカップ教室・・・いまさらですが [読書]
2006年ドイツ大会のワールドカップ出場国、32カ国について
世界の作家32人が書いた短い、短い作品集。
サッカーや代表チームについて、というより国そのものについて
書かれているんですね。
南アフリカ大会も終わった今、時期外れではありますが、
アンソロジーとしても読みごたえのある本ではあります。
チュニジアについては、
当時のチュニジアの名門クラブの会長がこう言っています。
「実際に、クラブは庶民のものだ。だれも所有はしていない。そしていつの日か、その庶民が革命を起こすだろう」
「庶民はしばしばクラブのなかでインティファーダ(イスラエル占領に対するパレスチナ人の抵抗運動)を行う。基底となるファンは数百万だ。一種の民衆運動のようなものだな」
彼の予言は当たったんでしょうか。
しかし、圧倒的にかっこよかったのは、スペインについて書いたロバート・クーヴァー。
彼の他の作品を読もうと決意させるに十分。
ニック・ホーンビィ(イングランド)がサッカーについて書いて、
面白くないはずがなく、
ドイツ(アレクサンダー・オザング)はその国のサッカーの退屈さに反して
苦みやひねりが十分に効いていて、
クルト・ヴァランダーシリーズを去年読んだ私には、ヘニング・マンケルが書いたアンゴラも
興味深いものがありました。
パラグアイ(75%がグアラニ語を話す! マジ? スペイン語じゃないの?)、
コスタリカ(クラブがフーリガンを育成した?)、
ああ、知らないことが山のように・・・。
日本も出場したので、日本の項もありますが、ちょっと生ぬるかったかな。
きっと愛がないと、アイロニーは発生しないのだな。
そこが残念でした。
豊崎由美の世界遺産読書 [読書]
年明けから、BSで世界遺産関連の番組をやっていて
(と言うか、NHKは世界遺産が大好きなので年がら年中、
世界遺産関連の何かをやっている)、
その中で、豊崎由美が、世界遺産で読書? 世界遺産を読む?
世界遺産に出かける前に読む?・・・か、なんか忘れてしまいましたが、
とにかく世界遺産と読書をひっかけた番組で、
12作品を紹介していました。
自分のためにメモ♪
恋愛文学編
『ノートルダム・ド・パリ』 ビクトル・ユゴー
子供のころ「ノートルダムのせむし男」っていう子ども向け翻案本を
読んだんだけど、なーんかおどろおどろしいっていう覚えしかないんだよなー
と、思っていたら、そんな私を見透かすように、
「アニメや映画で分かったような気になってはいかん。オリジナルの
ユゴーの筆力はすごい」(大意)と豊崎さんがおっしゃいました。
なるほど。そうか。読みます。
『ベニスに死す』 トーマス・マン
読みました。ヴェネツィアに行く前に。
映画のせいで、本にもマーラーのアダージェットの印象がついてまわります。
『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラ
映画は見たんだけどなぁ(しかもそんなに好きでもない)と思っていると、
またもや豊崎様から「本には絶対に映像化できない部分がある」と。
確かに。逆もありかもしれないけど、それは正しい。
紀行文学
『倫敦塔』 夏目漱石
「漱石には幻想文学の資質がある」と。さらに「坊っちゃん」について
イギリスのコミックノベルを取り入れているとも(大意)。
しかし、私、これはあんまり好きじゃないのです。すまんです。
『インド夜想曲』 アントニオ・タブッキ
須賀敦子ブームにのって私も読みました。
『パタゴニア』 チャトウィン
チャトウィンの処女作にして傑作なんだとか。
パタゴニアの普通の人々と自然について書かれているそう。
知らなかった。読まなきゃ。しかもチャトウィンは、かっこいいらしい。
歴史ロマン
『わたしの名は紅』 オルハン・パムク
トルコの作家。たしかノーベル文学賞、とりましたよね。
オスマントルコを舞台にしているそうで、こういうの好きなんですよね、私。
これを読んでトルコに出かけたら、幸せだろうなぁ。
『アラビアの夜の種族』 古川日出男
これは私も読みました。まるでゲームの原作のようです。
本のボリュームのわりにとても軽い印象。面白かった。
『グールド魚類画帖』 リチャード・フラナガン
人よりも魚に親愛を感じる男(さかなくんか?)。
難しそうな感じがするなぁ。
巨匠
『罪と罰』 ドストエフスキー
はるか昔、学生のときに読んだですよ。
読んだ直後は「まじめに生きな、あかんな」と思いました。
『万里の長城』 カフカ
うーむ。私が苦手とするカフカ。これは未完だそうです。
食わず嫌いかも知れないし、読んでみるのもいいか?
『キリマンジャロの雪』 ヘミングウェイ
映画は見たんですが(こういうの多いな、私)、本は読んでません。
ちなみに映画はわりと面白かった。
さて、ヘミングウェイについて豊崎さんがちょっと寄り道。
「この人なんでも説明するんですよ。きっと読者を信頼してないんでしょうね」
あ、なんか辛くなってきた。
「ちなみに『誰がために鐘は鳴る』ってのは、世紀の駄作。
だいたいヘミングウェイは、心ある女性はみんな嫌いなんですよ。
行動する作家なんていって悦に入ってるのはおやじだけですよ」
もちろん、私も嫌いです(笑)。しかしヘミングウェイ好きおやじとおやじ予備軍は数々見てきた(笑)。
ヤンキーといっしょで、国民の一定の割合でこういうマッチョは発生するんじゃなんですかね。
ちなみに、文中の豊崎さんの発言は私のあやふやな記憶によっているので、
正確ではありません。
オルハン・パムク、買いに行こ
(と言うか、NHKは世界遺産が大好きなので年がら年中、
世界遺産関連の何かをやっている)、
その中で、豊崎由美が、世界遺産で読書? 世界遺産を読む?
世界遺産に出かける前に読む?・・・か、なんか忘れてしまいましたが、
とにかく世界遺産と読書をひっかけた番組で、
12作品を紹介していました。
自分のためにメモ♪
恋愛文学編
『ノートルダム・ド・パリ』 ビクトル・ユゴー
子供のころ「ノートルダムのせむし男」っていう子ども向け翻案本を
読んだんだけど、なーんかおどろおどろしいっていう覚えしかないんだよなー
と、思っていたら、そんな私を見透かすように、
「アニメや映画で分かったような気になってはいかん。オリジナルの
ユゴーの筆力はすごい」(大意)と豊崎さんがおっしゃいました。
なるほど。そうか。読みます。
『ベニスに死す』 トーマス・マン
読みました。ヴェネツィアに行く前に。
映画のせいで、本にもマーラーのアダージェットの印象がついてまわります。
『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラ
映画は見たんだけどなぁ(しかもそんなに好きでもない)と思っていると、
またもや豊崎様から「本には絶対に映像化できない部分がある」と。
確かに。逆もありかもしれないけど、それは正しい。
紀行文学
『倫敦塔』 夏目漱石
「漱石には幻想文学の資質がある」と。さらに「坊っちゃん」について
イギリスのコミックノベルを取り入れているとも(大意)。
しかし、私、これはあんまり好きじゃないのです。すまんです。
『インド夜想曲』 アントニオ・タブッキ
須賀敦子ブームにのって私も読みました。
『パタゴニア』 チャトウィン
チャトウィンの処女作にして傑作なんだとか。
パタゴニアの普通の人々と自然について書かれているそう。
知らなかった。読まなきゃ。しかもチャトウィンは、かっこいいらしい。
パタゴニア/老いぼれグリンゴ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-8)
- 作者: ブルース・チャトウィン
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/06/11
- メディア: 単行本
歴史ロマン
『わたしの名は紅』 オルハン・パムク
トルコの作家。たしかノーベル文学賞、とりましたよね。
オスマントルコを舞台にしているそうで、こういうの好きなんですよね、私。
これを読んでトルコに出かけたら、幸せだろうなぁ。
『アラビアの夜の種族』 古川日出男
これは私も読みました。まるでゲームの原作のようです。
本のボリュームのわりにとても軽い印象。面白かった。
『グールド魚類画帖』 リチャード・フラナガン
人よりも魚に親愛を感じる男(さかなくんか?)。
難しそうな感じがするなぁ。
巨匠
『罪と罰』 ドストエフスキー
はるか昔、学生のときに読んだですよ。
読んだ直後は「まじめに生きな、あかんな」と思いました。
『万里の長城』 カフカ
うーむ。私が苦手とするカフカ。これは未完だそうです。
食わず嫌いかも知れないし、読んでみるのもいいか?
ノート〈1〉万里の長城―カフカ・コレクション (白水uブックス)
- 作者: フランツ カフカ
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/09
- メディア: 新書
『キリマンジャロの雪』 ヘミングウェイ
映画は見たんですが(こういうの多いな、私)、本は読んでません。
ちなみに映画はわりと面白かった。
さて、ヘミングウェイについて豊崎さんがちょっと寄り道。
「この人なんでも説明するんですよ。きっと読者を信頼してないんでしょうね」
あ、なんか辛くなってきた。
「ちなみに『誰がために鐘は鳴る』ってのは、世紀の駄作。
だいたいヘミングウェイは、心ある女性はみんな嫌いなんですよ。
行動する作家なんていって悦に入ってるのはおやじだけですよ」
もちろん、私も嫌いです(笑)。しかしヘミングウェイ好きおやじとおやじ予備軍は数々見てきた(笑)。
ヤンキーといっしょで、国民の一定の割合でこういうマッチョは発生するんじゃなんですかね。
ちなみに、文中の豊崎さんの発言は私のあやふやな記憶によっているので、
正確ではありません。
オルハン・パムク、買いに行こ
流跡 [読書]
なぜなんでしょう。
やはり師走はあわただしい。
見ようと思っていたテレビはHDにたまっていくし、
読もうと思っていた本は横積みにされていく・・・。
でも、この本は読んでよかった。
堀江敏幸からのドゥマゴ賞だということで手に取りましたが、
この時期にこういう本を読むことができてよかったと思います。
忙しい時期はなぜかエンタメ系にいきがちですが(私は)、
味わいが濃縮された純文学(死語?)は一条の光明でした。
話のすじは、あるような、ないような。
虚なのか、実なのか。
でも確かになにかがつながって流れていく。
そんな本でした。
いや、面白かった。
今年のベストか。
作者は院生というから、20代半ばくらい?
すでに次回作が読みたいです。私は。
と、パタンと本を閉じると、
大掃除どころか小掃除もできていない部屋が
目に入るのでした。浮世は厳しいのう。
目くらましの道 [読書]
スウェーデンのミステリーを読むのはたぶんはじめて。
しかし、スウェーデン警察の名高いクルト・ヴァランダーを主人公とした
シリーズもののひとつで、しかも英国推理作家協会賞も受賞しているので、
それなりに期待して読み始めました。
上・下巻ありますが(まぁ、ここ10年くらい文庫本1巻でおさまる
ミステリーは少ないけど)、一気に読ませます。
ただし展開が派手というわけでなく(事件は衝撃的ですが)、
主人公はじめ登場人物がひとりひとり、魅力的で立体的だということが
大きいかもしれません。
ヴァランダーは、警官としては非常に優秀ですが、
私生活ではややうらぶれ感あり。
うらぶれ感というよりダメンズ感というべきか、
仕事はできるのにややダメな男というべきか。
本編の連続殺人とは関係ないと思われる冒頭の
非常に悲しい事件(少女の焼身自殺)が
全編の通奏低音になっています。
私は最終盤をお風呂に入って読んでいましたが、
途中でやめられずに1時間以上、バスタイム読書。
そして最後はお風呂で泣きました。
本を読んで泣いたのは何年ぶりだろう?
良い結末だったと思います。