金メダルへの道 [フィギュアスケート]
もう今週末にはフィギュアスケートの世界選手権が始まってしまうというこの時期に、
オリンピックの感想です(どんだけ遅いんだ、私w)。
いやいや、浅田真央、すごかった。いろんな人に危惧されていた(実は私も)
トリプルアクセル×3回をここぞの大舞台で成功させてしまうんですから!
やっぱりこの人は天才なんだなと改めて思いました。
個人的にはセカンドジャンプの3トゥーループを復活させて
(2A-3Tとか3F-3Tとか前にはやってたよね)、3F-3Loも捨てないでほしかった。
(とは言え、セカンドループはほんとに認定されにくい・・・)。
もっと贅沢を言うならサルコウはともかく、ルッツを入れてほしかった。
トリプルアクセルは一度でいいんじゃないのと思ってました。
今の採点傾向ではルッツや3-3をやってはじめて3Aが、優位性をもつんですよね。
でも本人が決めたこと。
なんといってもトリプルアクセルは彼女のものだから、
彼女が努力を重ねてつかみ取ったものだから、
彼女のやりたいようにやるのがfair。
傍から見ると、もっと楽な道があるのに、
あえて茨の道を行ってるように見える浅田真央。
ぶっちゃけ(語弊がありますが)ラクな道とはキム・ヨナの道とも言えるわけです。
でも得点を得るにはキム・ヨナの道はラク(効率的)かもしれませんが、
精神的には反対にとても辛い道なんだろうなと思います。
金メダル獲得システムに沿ってノルマを達成する営業マンのよう。
少し前まで漏れ聞こえてきていた「練習ばっかりで辛い」というような
キム・ヨナのインタビューなども、きっとこういう「辛さ」なんだろうなぁと。
昔の共産圏の選手が国家がかりで育成されて、とにかくメダルを
持ち帰らないことには!!と必死にならざるをえないあの感じです。
キム陣営はバンクーバーの金メダルを取ることについて
非常に周到だったと思います。
特に昨シーズンの「私はクイーン」キャンペーンはすごかった。
キム・ヨナは2008年まではまだ世界選手権で3位どまり。
オリンピックで金を取るには世界女王=世界選手権のタイトルは
ぜひとも取っておきたいもの。なんせ、採点競技ですから、
こういう実績やタイトルは非常に有効、というか不可欠。
2009年はオリンピック前最後の世界選手権なので後がありません。
でも昨シーズン開幕時点では世界女王になってないのに、
韓国メディアではすでにクイーンと呼ばれ(呼ばせ?)、
さらにミス・パーフェクト、ミシェル・クワンをなぞったプログラムで
クイーンイメージを強化します。
採点傾向の変化もキム・ヨナには有利でした。
大幅にGOE(加算点というやつ)がつけられるようになり、
低難度のダブルアクセルがGOEがついて中難度のトリプルループの点数を
超えちゃうのですから。
さらにループの回転数には非常にシビアになり、これは3-3のセカンドにループを
つける浅田真央や安藤美姫には大きな痛手でした。
結局、浅田真央はセカンドループを捨てたし(それでショートから3A-2にせざるを得なくなった)、
安藤美姫はずっと3-2にし、五輪では挑戦したもののやはりダウングレード。
一方、キム・ヨナはそもそもループが不得意で、プログラムから
はずしているので影響はありませんでした。
ルールの変更で言えば3A の得点は上がっているし、浅田真央に有利なことも
あったのですが、この二つの採点傾向の変化の前には雀の涙のようなもの。
キム・ヨナ陣営のクイーン・キャンペーンはあざといかもしれませんが、
別にルール違反でもなんでもないし、実際有効だった気がします。
そして陣営の手法にのっとって彼女もきちんと演技をしました。
報道ではコーチのオーサーがよく出てきますが、たぶん彼はテクニカルな指導に
限られていて、いろいろと発言を見ると、「総合演出」はほかに
いるんではないかという気がします。
個人的にはキム・ヨナのSPもFPもそんなに好きじゃないんですが、
エキシビジョンは良かったと思います。コンペティションではGOEを得るためのジャンプ前の
小技がバタバタしていた印象でしたが、エキシビジョンではちゃんと音楽にのっていて、
きれいだったと思います。「五輪が終わったら自分の好きなことをやってみたい」と
語っていたのもよく分かります。浅田真央と違って好きなことは封印してきたんでしょう。
そもそも、キム・ヨナの好きなことがなんのかすらよく分からんくらいです。
と、耳目を集める二人についてあれこれ勝手に思うことを長々と書きましたが、
実は私が最も好きなのはジョアニー・ロシェットなんです。
そしてやっぱり最も感動したのもジョアニー・ロシェットなんです。
浅田真央に関してはやっぱり親のような気持ちになって(なぜなんだろう??)、
祈るような気持ちで応援しちゃうんですが、それと同時にロシェットに感動している私は
なんとなく少数派のような・・・。
でも、ロシェット、やっぱり世界選手権は欠場なんですよね。ゆっくり休んでほしいものです。
オリンピックの感想です(どんだけ遅いんだ、私w)。
いやいや、浅田真央、すごかった。いろんな人に危惧されていた(実は私も)
トリプルアクセル×3回をここぞの大舞台で成功させてしまうんですから!
やっぱりこの人は天才なんだなと改めて思いました。
個人的にはセカンドジャンプの3トゥーループを復活させて
(2A-3Tとか3F-3Tとか前にはやってたよね)、3F-3Loも捨てないでほしかった。
(とは言え、セカンドループはほんとに認定されにくい・・・)。
もっと贅沢を言うならサルコウはともかく、ルッツを入れてほしかった。
トリプルアクセルは一度でいいんじゃないのと思ってました。
今の採点傾向ではルッツや3-3をやってはじめて3Aが、優位性をもつんですよね。
でも本人が決めたこと。
なんといってもトリプルアクセルは彼女のものだから、
彼女が努力を重ねてつかみ取ったものだから、
彼女のやりたいようにやるのがfair。
傍から見ると、もっと楽な道があるのに、
あえて茨の道を行ってるように見える浅田真央。
ぶっちゃけ(語弊がありますが)ラクな道とはキム・ヨナの道とも言えるわけです。
でも得点を得るにはキム・ヨナの道はラク(効率的)かもしれませんが、
精神的には反対にとても辛い道なんだろうなと思います。
金メダル獲得システムに沿ってノルマを達成する営業マンのよう。
少し前まで漏れ聞こえてきていた「練習ばっかりで辛い」というような
キム・ヨナのインタビューなども、きっとこういう「辛さ」なんだろうなぁと。
昔の共産圏の選手が国家がかりで育成されて、とにかくメダルを
持ち帰らないことには!!と必死にならざるをえないあの感じです。
キム陣営はバンクーバーの金メダルを取ることについて
非常に周到だったと思います。
特に昨シーズンの「私はクイーン」キャンペーンはすごかった。
キム・ヨナは2008年まではまだ世界選手権で3位どまり。
オリンピックで金を取るには世界女王=世界選手権のタイトルは
ぜひとも取っておきたいもの。なんせ、採点競技ですから、
こういう実績やタイトルは非常に有効、というか不可欠。
2009年はオリンピック前最後の世界選手権なので後がありません。
でも昨シーズン開幕時点では世界女王になってないのに、
韓国メディアではすでにクイーンと呼ばれ(呼ばせ?)、
さらにミス・パーフェクト、ミシェル・クワンをなぞったプログラムで
クイーンイメージを強化します。
採点傾向の変化もキム・ヨナには有利でした。
大幅にGOE(加算点というやつ)がつけられるようになり、
低難度のダブルアクセルがGOEがついて中難度のトリプルループの点数を
超えちゃうのですから。
さらにループの回転数には非常にシビアになり、これは3-3のセカンドにループを
つける浅田真央や安藤美姫には大きな痛手でした。
結局、浅田真央はセカンドループを捨てたし(それでショートから3A-2にせざるを得なくなった)、
安藤美姫はずっと3-2にし、五輪では挑戦したもののやはりダウングレード。
一方、キム・ヨナはそもそもループが不得意で、プログラムから
はずしているので影響はありませんでした。
ルールの変更で言えば3A の得点は上がっているし、浅田真央に有利なことも
あったのですが、この二つの採点傾向の変化の前には雀の涙のようなもの。
キム・ヨナ陣営のクイーン・キャンペーンはあざといかもしれませんが、
別にルール違反でもなんでもないし、実際有効だった気がします。
そして陣営の手法にのっとって彼女もきちんと演技をしました。
報道ではコーチのオーサーがよく出てきますが、たぶん彼はテクニカルな指導に
限られていて、いろいろと発言を見ると、「総合演出」はほかに
いるんではないかという気がします。
個人的にはキム・ヨナのSPもFPもそんなに好きじゃないんですが、
エキシビジョンは良かったと思います。コンペティションではGOEを得るためのジャンプ前の
小技がバタバタしていた印象でしたが、エキシビジョンではちゃんと音楽にのっていて、
きれいだったと思います。「五輪が終わったら自分の好きなことをやってみたい」と
語っていたのもよく分かります。浅田真央と違って好きなことは封印してきたんでしょう。
そもそも、キム・ヨナの好きなことがなんのかすらよく分からんくらいです。
と、耳目を集める二人についてあれこれ勝手に思うことを長々と書きましたが、
実は私が最も好きなのはジョアニー・ロシェットなんです。
そしてやっぱり最も感動したのもジョアニー・ロシェットなんです。
浅田真央に関してはやっぱり親のような気持ちになって(なぜなんだろう??)、
祈るような気持ちで応援しちゃうんですが、それと同時にロシェットに感動している私は
なんとなく少数派のような・・・。
でも、ロシェット、やっぱり世界選手権は欠場なんですよね。ゆっくり休んでほしいものです。
タグ:フィギュアスケート
真央ちゃん、やっぱり天才ですよね!
もって生まれたものがないと、ああはなれないなぁ、って思ってしまいますよ。
by tubasa (2010-03-18 01:49)
真央ちゃん潔い。プルシェンコじゃなくてもチューしたくなるよ。
by keisuke (2010-03-18 06:37)
☆tubasaさん、こんにちは。
真央ちゃんはかわいいけど、強さがありますよね。
あれだけ努力できるのも才能のひとつなのかもしれません。
☆keisukeさん、こんにちは。
確かに。プルシェンコ、キスを要求するとはさすがですよねー。
ほかの現役選手はなかなかできないかも。
by chicory (2010-03-18 07:37)
マオちゃん、すごいですよね。次は3−3も入れるみたいだし、
楽しみですね。それにしても、同じように親目線になっちゃう
のは、なんでだろ?世界選手権、france2/3で放映される
ようなので、楽しみ。もちろん、解説はあの3人組です♪
by どらっち (2010-03-18 08:25)
いやーもう、chicoryさんのおかげでどんだけみたかわかりません。
なんだか夢の世界のようでした、ほんと。人間のカラダって美しいなと、まじめにおもってしまったです。
by snorita (2010-03-18 11:03)
女王になるためにきっちりお膳立てされて、
その用意周到さにオリンピック直後はくやしい思いでしたが、
日がたつにつれて、きちんと結果を出したキムヨナはなんだかんだ言ってもすごいなーと思う今日この頃です。
周りがいくらがんばっても、パフォーマーが「実行」できなければ
金メダルにはつながらないもの。
でも、あえて茨の道を進む真央ちゃんをやっぱり応援したくなります。
by kei (2010-03-18 22:32)
☆どらっちさん、こんにちは。
フランス三人組の解説&実況、聞きたいですー。
ほんとお国柄が出ますよね。やっぱり人の話が終わらないうちに
どんどんかぶせていっちゃうからカオスになるんでしょうかね??
真央ちゃんの来シーズン、私も楽しみです。
☆snoritaさん、こんにちは。
大変恐縮です。しかし男女ともにみんな体脂肪率が低そうで、すごーーーく練習してるんでしょうね。アスリートって美しいですよね。
☆keiさん、こんにちは。
ヨナさんの場合、このお膳立てをたぶんちゃんとわかっていたから、とても大変だったと思うんですが、やりきったのはさすがですよね。私、彼女がフリーでノーミスだったのは初めて見ました。
真央ちゃんが来季、どういう選択をするのかも楽しみです。
しかし、セカンドループはもう認められないんでしょうかね。中間点もいいけど、回転不足判定が厳しすぎるのはちょっとなえます。
by chicory (2010-03-19 02:37)
ヨナちゃんは、「オリンピックで勝つ」ことだけをゴールにしてきた感じがしますよね・・・
コーチも、練習環境も、プログラムの内容も、イメージ作りも。
それもまた、茨の道だったろうし、やりきった精神的な強さは物凄いな・・と思います(時に憎たらしいくらいw)
真央ちゃんはまた、求道者のように難しいことばっかしてますしね。
今回、ほわんとしているように見える真央ちゃんの、意思の強さと気の強さに驚いたんですが、今度は彼女がまっすぐ4年後を見据えはじめたような気がします。
不遇なくらい点が伸びないジャンプの種類を、考え直す時ですよね。
うーん、ますます目が離せません!
by bluebird (2010-03-19 22:26)
正直、ヨナさんのクイーン・イメージ戦略には辟易させられるし、あんなに周到にやっている割りには、テレビで「妨害発言」したり、審判への不満をあらわにしたりなど、ちょこちょことボロは見えていて、その辺をもう少し完璧にやっていただきたかったなとは思います。
茨の道を歩んでるのは、真央ちゃんですよね。いろいろと変わるルールに対応するだけで、心が折れそうになるんじゃないかと心配になります。来期はどう対応してくるのか、ちょっと楽しみではありますが、彼女がスケートを好きでいてくれるといいなと思います。
by chicory (2010-03-20 11:49)
遅ればせながら、読ませていただき、またあの時の感動がよみがえってきました。採点についてはいろいろ言われているようですが、chicoryさんの解説はなるほどと納得です。わけのわからないど素人の私が考えていたことと言えば「スポーツ」と「芸術」について。スポーツは「競技会」でだいたい数字(記録)で順位が決まり、芸術はそれこそ審査員の主観がバリバ入ってくるなんとも点数にし難いけれど点数にしちゃう分野。
スポーツはその記録のために例えばマラソンだって、かけひきがあるように「フィギュア」にもかけひきがあったということなんですよね。その戦略に成功したのがヨナちゃん? けれど、それをこなすのは、結局本人。自身の技を磨く力やプレッシャーをはねのける強靭な精神力には脱帽です。ロシェットもよく頑張りましたよね。私、泣けてきちゃいましたもの。なんだか今回のオリンピック・フィギュアは精神面での重たさがひしひしと伝わってくるような大会だったように思います。
by うさ (2010-03-21 12:06)
こんにちは。まぁ、今の採点だと、おおざっぱに芸術点なんて言われますが(本当はPCS,演技構成点)、その中には確かに振付とか演技遂行力とか解釈とか「芸術」っぽい要素もありますが、ほかにもスケーティングスキルとかトランジションなんてのもあって、技術を見る項目もあるんですよ。ただ、それらがジャッジの主観で決められているのは確かなんですけどね。
マラソンにも駆け引きはありますが、フィギュアの場合(というかヨナさんの場合)、イメージ作りという、フィギュアスケートの実力とは違うところでも用意周到だったと思います。これも必要なことなので、いいことなんですけどね。見てるほうもハラハラしますが、フィギュアってほんと精神力も必要なんだな―とオリンピックを見て、私も実感しました。
by chicory (2010-03-22 16:11)