デュマ・ペールのペール [つれづれ]
ひとつ前のエントリーにも書いた、「三銃士」や「モンテクリスト伯」の
作者、アレクサンドル・デュマ。
http://englishreading.blog.so-net.ne.jp/2009-10-21
息子も同じ名前のアレクサンドル・デュマで、しかも同じ作家で「椿姫」など
書いているので、区別するために、
お父さんデュマのほうには父を意味するフランス語、ペールをつけて、
アレクサンドル・デュマ・ペール。
子供のほうには、息子という意味のフィスをつけて、アレクサンドル・デュマ・フィス。
なので、ペールとフィスだけは私が中学生のころから知っているフランス語ですw
さて、そのデュマ・ペールのお父さん。
ご存じの方も多いと思いますが、あのナポレオンのもとで働いた軍人で、
フランス貴族とハイチの黒人奴隷女性との間の私生児だったそうです。
上の画像はwikiから拝借してきたデュマ・ペールのお父さん、
トマ・アレクサンドル・デュマです。
最初は奴隷として売られちゃったりしますが、
貴族である父に私生児として認められて、
普通に軍隊に入ってるんですよね。
フランス革命→ナポレオンの台頭という混乱期ではありますが、
一兵卒から陸軍中将に。
おそらく差別はいろいろあったんでしょうし、
最後はちょっと残念ですが、将校にまでなるというのはすごい出世でしょう。
当時のフランスは階級社会ですが、黒人でも貴族の枠に
入ることを認められる場合がほかにどのくらいあったのかよくわかりませんが・・・。
身分と階級による差も、もちろん差別なんですが、
当時のフランス軍隊の偉い人って、白い人ばっかりっていう
わけじゃなかったんですね。
お父さんデュマに敬意を表して?
不景気のドサクサに紛れて、「大将」名乗ってます。
by はだけた大将 (2009-10-23 20:53)
(笑!)はだけていても、大将になれる日本って進んだ国です。
by chicory (2009-10-24 01:01)
外国人の名前のつけ方ってかなり興味深いものがありますよね!
文化の違いを見せられる感じがします。
by tubasa (2009-10-24 01:15)
お恥ずかしながら、父と子の作品を区別できてませんでした・・・。っていうか親子で作家だとは知らず、「三銃士」と「椿姫」の作者が一緒だと思っていました(滝汗)。勉強になりました(笑)。
by ミホ (2009-10-24 12:11)
お父さん、苦労も多かったけど頑張ったんですね。
勉強になります。
by きこじじ (2009-10-24 12:25)
面白~い。思わずWikipediaに行って読んでしまいました。
ペールのおじいさん、息子を売り飛ばしたことがあるなんてとんでも無いやつですね。ペールのおばあさんは奴隷で名字がないから、Marie Du Mas (農家のマリー)で、デュマの名字はそういう意味なんですね。
そういうことも知って、人形劇「新三銃士」見ると面白そうです。子供は知らない方がよさそうだけど(笑)。
by るもんが (2009-10-24 15:19)
★tubasaさん、こんにちは。
どうして、親子で同じ名前にしちゃうんでしょうねぇ。
襲名じゃあ、あるまいしねぇ。
★ミホさん、こんにちは。
デュマ・ペールは私生児がいっぱいいたらしいので(…こんなんだからアカデミー・フランセーズに入れないんですよね)、親の家業を継ぐ息子も中にはいたんでしょうかねぇ。なんて偉そうなことを言ってますが、私も「椿姫」は読んだことがありません。スミマセン。
★きこじじさん、こんにちは。
デュマ将軍、すごいですよね。
ずいぶん豪快な人だったらしいですよ。
★るもんがさん、こんにちは。
そうそう、デュマ将軍のお母さん、奴隷だから苗字がないんですよね。軍隊に入るときに、一兵卒から入隊すると言ったら将軍父に「貴族たるもの、兵卒になるとは言語道断」とか言われて勘当されちゃって、それでもともとなかった母の名前の通称を苗字として名乗ることにしたそうです。「新・三銃士」、原作だとヒロインのコンスタンスとミレディーの運命が“きつい”ので、もう少しマイルドにしてくれてもいいかぁと思います。
by chicory (2009-10-24 21:44)