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世界の作家32人によるワールドカップ教室・・・いまさらですが [読書]


世界の作家32人によるワールドカップ教室

世界の作家32人によるワールドカップ教室

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 単行本


2006年ドイツ大会のワールドカップ出場国、32カ国について
世界の作家32人が書いた短い、短い作品集。
サッカーや代表チームについて、というより国そのものについて
書かれているんですね。

南アフリカ大会も終わった今、時期外れではありますが、
アンソロジーとしても読みごたえのある本ではあります。

チュニジアについては、
当時のチュニジアの名門クラブの会長がこう言っています。
「実際に、クラブは庶民のものだ。だれも所有はしていない。そしていつの日か、その庶民が革命を起こすだろう
「庶民はしばしばクラブのなかでインティファーダ(イスラエル占領に対するパレスチナ人の抵抗運動)を行う。基底となるファンは数百万だ。一種の民衆運動のようなものだな」
彼の予言は当たったんでしょうか。

しかし、圧倒的にかっこよかったのは、スペインについて書いたロバート・クーヴァー
彼の他の作品を読もうと決意させるに十分。
ニック・ホーンビィ(イングランド)がサッカーについて書いて、
面白くないはずがなく、
ドイツ(アレクサンダー・オザング)はその国のサッカーの退屈さに反して
苦みやひねりが十分に効いていて、
クルト・ヴァランダーシリーズを去年読んだ私には、ヘニング・マンケルが書いたアンゴラも
興味深いものがありました。

パラグアイ(75%がグアラニ語を話す! マジ? スペイン語じゃないの?)、
コスタリカ(クラブがフーリガンを育成した?)、
ああ、知らないことが山のように・・・。
日本も出場したので、日本の項もありますが、ちょっと生ぬるかったかな。
きっと愛がないと、アイロニーは発生しないのだな。
そこが残念でした。
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